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(5-2&6.7)ベルリン&帰国 [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/28(日)~続きです

♪~ワーグナー『Parsifalパルジファル』@シラー劇場  17:00~

Musikalische Leitung
Daniel Barenboim

Inszenierung
Dmitri Tcherniakov

Amfortas
Wolfgang Koch

Gurnemanz
Rene Pape

Parsifal
Andreas Schager

Klingsor
Tomas Tomasson

Kundry
Waltraud Meier

Titurel
Matthias Holle

STAATSKAPELLE BERLIN

STAATSOPERNCHOR

KONZERTCHOR DER STAATSOPER BERLIN?

 復活祭の時期にヨーロッパでは『パルジファル』があちこちで上演されますが、イースター時期に『パルジファル』を観たのは2003年のウィーンが初めて、あれから13年も経ちました。最近は東京の新国立で鑑賞。ワーグナーの楽劇の中でも「舞台神聖祭典劇」と呼ばれている宗教色の濃いオペラです。ですがワーグナーが最後に行き着いた救済をテーマにした深い音楽性には心打たれます。静まり返った場内に前奏曲が流れ、日常から切り離された感覚でこの劇の世界に入っていきます。第一幕は中世の教会が舞台ですが、グルマンツ(パーぺ)の低音が重々しくも快調に響き、さらに引き込まれました。背景は中世の教会(遺構)でも現代に置き換えられています。クンドリ(マイヤー)もトレンチコート、パルジファル(シャーガー)もヒッチハイク風にパーカーにバックパックの若者スタイルです。バレンボエムの指揮のワーグナーは3年前のロンドン以来ですが、あのとき『神々の黄昏』でフレッシュなジークフリード役をこなしたシャーガーはさらに進歩して、素晴らしいパルジファルです!あの細身の彼から発散されるエネルギーがパルジファル的清らかさと強さに結びついた様は私だけでなく、観客みんなを幸せな気持ちにしたに違いありません。アンフォルタスの苦悩も身に沁みるように歌われ、「同情」の心はすべての人にいきわたるような演奏です。第二幕のクリングゾールの魔法の城は花の娘たち(幼い娘たちも多い)の華やかな衣装が白い壁面の室内にまぶしいほど。誘惑の動機と娘たちの輪舞、クンドリの蠱惑的な動機と繰り出される劇的な場面です。終幕でパルジファルは槍を得、魔法の城は崩れます。第三幕は帰還から洗礼を受けるパルジファル、美しい旋律の聖金曜日の音楽の奏される中で、クンドリに洗礼を与えます。この場面は心まで洗われるようなオーボエの演奏です。ティトゥテルの葬祭の暗い行進曲とアルフォンタスの悲嘆と苦痛へ音楽は劇的に変わります。そして、ついにパルジファルが現れ傷をいやし、高らかに信仰への賛美で終わります。復習を兼ねていつもより解説風になってしまいましたが、CDを聴きながら大好きな『パルジファル』の素晴らしい舞台を思い出しています。

↓大喝采を受けたシャーガー

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↓クンドリはこの公演が最後だったマイヤー。総裁のフリムさんから花の冠を贈られて感激の面持ち。たくさんたくさんの拍手を受けました。

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 チェルニアコフTcherniaovのこの演出は好評で2015年に続き、2016年、来年2017年もフェストターゲに上演されます。クンドリはAnna larssonに代わりますが他はほぼ同じキャストです。すでにHPにプログラムがアップされています。

この公演が最後でしたが、シャーガーはこの後東京に飛んで、4/7と4/10の『ジークフリード』(春の音楽祭)に出演されたそうです。日本でも評判は上々で一挙にファンが増えたみたいです。

 2回の休憩をはさんで5時間近くかかりました。さすがに疲れて寄り道なしでホテルに戻り、お湯をいただいてカップラーメンの夜食。

↓シラー劇場

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3/29(火)

ベルリンTGL 12:45→パリCDG 14:30/20:30→

↓3泊したベルリンのホテル

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 早くも帰国の日になりました。物足りない想いは当然ありますが、なによりも留守中の夫の具合に変化がなく、比較的元気な声を電話で聴いて、一安心。朝はゆっくり起床、朝ごはんをいただいて10時過ぎにタクシーでテーゲル空港へ。エールフランスのゲートはずいぶん奥のプレハブみたいな粗末なターミナルにあります。自動チェックインのときパリからの帰国便の座席が予約した座席より若い数字のような気がしたのですが・・・。チェックインカウンターは座るところも少なく、復活祭の休暇明けで混雑しています。こんなところでテロでもあったらと思わずキョロキョロ。目つきも悪くなります。当初の予定ではパリの待ち時間の間にサンリスを訪問するつもりでしたが、CDGに着いたら、お土産も買わなきゃと思ったりして億劫になりました。マカロンやチョコ、紅茶などのショッピングの後はi padでゲームをしたり遊んで過ごしました。

 さて、搭乗の時間になり席を探しましたら、ベルリンでもらった番号の席はプレミアエコノミーになっています。FAさんのお話では今日はエコノミーが満席なので、アップグレードにしてくれたそう…ラッキー!席は昔のビジネスに近く、座席の背を倒さなくてもするすると前に伸びるので、ある程度は楽になり、疲れもあって良く眠れました。食事もエコノミーにプラスアルファーもあり、おやつの袋もいただけました。今回JALに支払った料金は札幌発着(ベルリン→パリ間も含めて)126040円でしたから、JALは高いけれど得した気分になって、現金なものです。

3/30(水)

→東京HND 15:25/17:30→札幌CTS 19:00

 羽田乗り換えも初めてでした。時間的にも短縮され、スムーズに札幌の自宅に戻りました。短い旅でしたからブログもサクサク進むはずでしたが、5月末からの夫の入院などで落ち着かず、大層遅れてしまいました。7月中旬の夏のエクサンプロヴァンスもキャンセルし、意気消沈していましたが、なんとか気をとりなおしました。夫も40日間の入院からおかげさまで、家に戻れました。これからは家族の時間を大事に、断捨離もしつつのんびり暮らしてまいります。みなさまもどうぞお元気で~(^^♪

 

 

 

 

 


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(5-1)ベルリン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/28(月)

 このホテルで一番良かったのは朝食が☆☆☆の宿にしては抜群に美味しかったことです。私の場合は宿泊代に含まれていたのですが、別料金では18ユーロです。

↓昨日に続いて金色のウサギさんのプレゼント(イースターのチョコ)

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 今夜は長大なワーグナーのオペラ『パルジファル』の鑑賞ですから、日中は1か所に絞って絵画館だけの見学をしました。

↓今回の旅で何度も通ったZoo駅付近(バスから)。

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↓絵画館はイースター祝日なので11:00からオープンです。絵画館の前からフィルハーモニアの黄色い建物が見えます。

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↓そして後方は広大なテアガルテンTiergartenが控えている素晴らしい立地。ベルリンの魅力はいろいろありますが、テアガルテンもその一つ。この日はお天気が良くて、森のような公園を散策する市民や観光客が多く、本格的な春の訪れを満喫しているようでした。

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☆Gemäldegalerie絵画館

 この新しいギャラリーができる前はダーレムにありましたので、それを含めると3度目の訪問です。素晴らしいコレクションですが、その割にお客さんが少ないので、ゆったり気分で鑑賞できます。写真もフラッシュなしでOK。

↓イタリア絵画部門から、ボッティチェルリの「歌う天使たちを伴う聖母子」1477頃直径135cm。聖母の愁いを帯びた表情と背景のアイスブルーがただただ美しい。

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↓カルロ・クリヴェッリ「聖ペテロに鍵を与える聖母子」1488 191×196 これも部分撮りですが、ガラスが反射してしまいました。華やかな画面の中で、聖母の硬く蒼白の顔が印象的。イエスの悲劇の最後を暗示しています。

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↓アントニオ・デル・ポライウォーロ「若い婦人の横顔」1465~70頃 52.5×36.5

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↓カルパッチオ「キリストの墓の準備」1505頃 145×185 独特の要素を盛り込んで構成された、カルパッチオらしい画面。

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↓ジョヴァンニ・ベルリー二「キリストの復活」左と「2天使に支えられる死せるキリスト」右が並んでいました。

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↓スキアヴォーネ「玉座の聖母子」1456-60頃。カルロ・クリヴェッリと同じスクァルチオーネ工房で学んだ画家。共通するモチーフや下に工房の名とダルマティア出身であることが記されていますので、カルロがヴェネチアを逃れてダルマティアのザダールへ行ったのはスキアヴォーネの手引きがあったのではと推察されます。

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↓レンブラント「天使と戦うヤコブ」1659-60頃 140×120

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↓フランス・ハルス「マレ・バッペ」1629-30頃 75×64

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↓フランス・ハルツ「カタリーナ・ホーフトと乳母」1619-20頃 86×65

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↓ヴァトー「踊り」1719頃 97×166  下は笛を吹く少年をアップで。

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写真も数多く撮りましたので、アップしたいのですが、きりがありませんからこの辺で。絵画館には素描のコレクションも有名なのですが、疲れてしまってパス。バスで野の花の咲き始めたテアガルテンを眺めながらZoo駅に戻り、あとは徒歩でサビーニ・プラッツへ。遠回りになって30分くらい歩きました。広場の近くでランチ。前菜のアラカルトだけでお腹がいっぱいなり、ホテルに戻って午睡。

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続きます~


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(4)ベルリン [2016春ドイツ音楽祭の旅]

3/27(日)

 復活祭を迎えて、春らしい日和になりました。冬のオーバーコートも必要なくなり、春の軽いコートで2年ぶりのベルリンの街へ。Zoo駅からバスでアレクサンダー・プラッツの近くまで。

↓シュプレー川に架かる橋の向こうにテレビ塔

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↓テレビ塔のそばにザンクト・マリエン教会が見えてきました。

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 図書館から借りた小池寿子先生の著書『死の舞踏への旅』でベルリンにもその主題(独語でTotentanz)の壁画があることを知り、見学に来たのです。

↓St.Marien in Berlin(ベルリンのサンタ・マリア教会)は13世紀に創建、現在の建物は19世紀にプロテスタントの教会として改築、拡張されています。第二次大戦の終わりごろには塔と北壁に爆撃を受け壁画もダメージを受けたようです。こちらは南側面。

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 さて、目的のダンス・マカーブル(16世紀)は東塔の玄関廊にあります。ただそのコーナーはガラスでしきられています。500年の歳月を経たオリジナルの再生は難しいため、かなり剥落が進み、また全体を観ることは叶いませんでした。

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↓手前の壁にあるのをようやく撮りました。黒い帽子の二人の若い男の間に白い布をまとった骸骨が描かれています。

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↓第一次大戦後にリーフレットとしてコピーされたもの(部分)。王侯貴族、騎士、聖職者などの間に死の象徴である骸骨をはさんで、生きることは常に死と隣り合わせであると示しています。

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「死の舞踏」の壁画は中世末期には多く描かれたテーマですが、現存しているものは少なく、私も1998年に訪れたフランスのラ・シェーズ・デイユ修道院以来でした。このテーマは現代美術まで形を変えながらも、連綿として受け継がれてきました。2000年には上野の西洋美術館で特別展「死の舞踏 中世から現代まで」(デュッセルドルフ大学版画素描コレクションによる)が開催され、私もオペラ公演のついででしたが、訪れました。意欲的な展覧会でしたが、日本人には受けません。がら空きの展示室でのケーテ・コルビッツの作品が大層印象的でした。

↓教会内部には古い木彫の聖人像も。

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 川に沿って歩き、博物館島へ渡りました

↓回廊から見えてきたALTE NATIONAL GALERIE(旧ナショナル・ギャラリー)

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↓ぺルガモン博物館は大改修中。一部しかオープンしていないのに大行列!

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 今回はシリア北部のハラフ遺跡から出土した浮彫など観るつもりでしたが、改修中ではたとえ入館でしても観られるかどうか・・・諦めました。工事の計画看板には全面完成予定2019となっていました。

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↓NEUES MUSEUM新博物館の裏(川のほう)側面に残された第二次大戦の爆撃跡(斜め撮り)

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 ペルガモン博物館から近くのボーデ美術館に寄りました。2年前に続いて3度目の訪問です。ビザンティンからのキリスト教美術(彫刻)ではかなり水準の高いコレクションなので、何度来ても楽しめます。展示も一部変わるようです。

↓エジプトの初期キリスト教(コプト教)のセクションから、鷲と祭壇の墓碑

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↓アンク形の十字架を刻んだ墓碑

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↓オランスのポーズをとる人物たち、初期キリスト教徒の素朴な墓碑。

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↓中世部門の浮彫「カインとアベル」

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↓この部屋は初めて?ロマネスク期の獅子像(柱の基部)

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↓最後にリーメン・シュナイダーの書記者像(聖ヨハネ?)にさよならして退出

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 Unter den Lindenの大通りからバスに乗ってPotsdamer広場まで。2年前に泊まったホテル裏側のモール内でランチ。ラーメンが食べたくなったのが災いの元、二階バルコンのカジュアルな中華屋さんだったのですが…不味くてほとんど残しました(涙)。お目当てのお惣菜屋さんもイースターでお休み。今日はついてない。。。とぼやきながらZOO駅の近くのカイザー・ヴィルヘルム記念教会へ。ここは初めて中に入って見学しました。(内部は写真禁止)

Kaiser-Wilhelm-Gedächtniskircheカイザー・ヴィルヘルム記念教会は19世紀にネオ・ロマネスク様式で建立。第二次大戦時の爆撃で損傷しましたが、戦争の悲惨さを伝えるため保存されています。ただ最近は大規模な保存改修があったもようで、初めて近くを通った時の黒っぽく崩れそうだった姿に比べると壁面は化粧されたかのよう、ずいぶん変わっていました。隣接してモダンな教会が建設され、教会の機能は新しい方に移っています。

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  ここからZoo駅まで戻るのに方向を失い、ぐるぐる歩き…疲れました。今思えば朝からここまでほとんど街中の時計を見ていません。ホテルのレセプションにも寄らないで出入りできる構造になっていることもあり、それが大変な失態のもとになったのです。

 ホテルからシラー劇場まで徒歩で数分ですから、休息後のんびり劇場へ。ところが劇場の前はひっそり・・・な、な、なんで?入ってみると入口にいた係員が「もう開演して1時間たってるよ。今日から夏時間だから」と言うではありませんか!途中では入れませんし、今日の演目『オルフェオとエウリディーチェ』は1幕ものなので観られない~!!とほとんどパニック状態の私。TVで良かったらと案内された2階ホワイエ横のロビーへ。なんと!二人の同胞の先客が・・・。「日本のおばさんたちにも困ったもんだ」と思われたことでしょう(大汗)。私とは同年輩の方たちは二人で地下鉄に乗って来られたそうで、地下鉄の時計を見て変?とは思ったらしいのですが、気がついたとしてもすでに手遅れでしたでしょう。連れのいない私はなおさらかと、ちょっぴり自分を慰めましたが。。。旅の2週間前まで、夫の状態で行けるかどうか決めかねていたので、やはり詰めが甘かったのです。TVでは物足りないこともあって、まったく悔恨の気分のままの視聴でした。でもメータの絶品のアリア「エウリディーチェを失って」は扉ひとつ向こう側で歌われている・・・それだけで感動でした。

そして、2時間余りの上演が終わりカーテン・コールには入れてもらいました。バレンボエムのグリックは珍しい?ですし、何よりも久しぶりにベジュン・メータの生の歌声と舞台を楽しみにしていましたから、とても残念でした。それでもブラボーの嵐を受けて、ガッツポーズのメータの姿に嬉しい私でした。

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♪~グリック『Orfeo ed Euridice オルフェオとエウリディーチェ』

Musikalische Leitung
Daniel Barenboim
Inszenierung
Jürgen Flimm

Orfeo
Bejun Mehta

Euridice
Anna Prohaska

Amor
Nadine Sierra 

↓プログラム

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 このまま暗い気持ちを抱えて帰るのも淋しいなと劇場の傍の賑やかな居酒屋さんにふらふらと入ってしまいました。サービスの女性が親切な方で、相席で良かったらと案内してくれて、地名は聞き取れませんでしたが、ドイツの南西の地方からオペラ観劇で見えていたシニアのご夫婦とご一緒させていただきました。彼らはこの夜はドイッチェ・オパーのほうで『タンホイザー』を聴いてきたそうで、素晴らしかったと頬を染める素朴な方たち。そこへ今夜のエウリディーチェを歌ったプロハスカが入ってきて、拍手がわきました。笑顔で私にも応えてくれて感激!実際は聴いてませんでしたが、聴いたふり(笑)、毛糸の帽子にトレンチコート、飾らないキュートなプロハスカでした。このお店は美味しいビールにブッフェのおつまみなどで10ユーロって安い!いつのまにか傷心の私は吹っ飛んで、ご機嫌で宿に戻りました。


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